魂の家族とも言うべき大切な友人、瑛人くんとの出会いから遡ること10年前、私はある特別な「もう一人の友人」に出会っていました。この友人(男性)を仮にKちゃんとしておきます。
それから10年後、瑛人くんに出会った時、なぜか私には彼とKちゃんとの間に不思議な共通点があるように感じました。そこで今回は、そんなKちゃんとの関わりと、それが「瑛人くんに出会うための伏線だった」と私が感じた理由について、前後編に分けて書いてみたいと思います。
【瑛人くんとの関わりについてはこちら】
➡ 止められなかった自殺予告…自死を選んでしまった友人①
Contents
霊能者から出会いを予告されていた相手
当時、仕事をしながら占いやスピリチュアル系の勉強をしていた私は、その関係の先生達からも定期的にスピリチュアルセッションを受けていました。
Kちゃんは、そんなセッションの中で霊能者の先生から出会いを予告され、後に職場で実際に出会うことになった、良い意味での「因縁を持つ相手」でした。
ただ、たとえ予告されていなかったとしても、私たちの間には何か特別に通じ合うものがあり、お互いに縁のある相手だとすぐに感じ取っていたと思います。
まだ大学を出たばかりのやんちゃな青年といった感じのKちゃんと、オバチャン街道まっしぐらな私とでは全く接点もなさそうに見えましたが、不思議なことにとてもウマが合い、他の人とは話せないような精神世界の話をいつも二人で熱心に話し込んでいました。
【参考ブログ記事】➡ 同時に切れたふたつの輪
ただ話が合うというだけでなく、当時の私たちの間には奇妙なシンクロニシティが頻発し、この出会いが「ただならぬもの」であることを予感させていました。
大きなシンクロが起こる時というのは、やはり霊界からの何らかの合図のような気がします。今思えば、それは(自死をテーマにした)瑛人くんとの出会いへと続く布石だったように感じます。
お兄さんを亡くしたというKちゃんの、吐き出すような呟き
Kちゃんにはお兄さんがいたそうですが、彼が学生の時に亡くなってしまったということです。
それ以上はあえて深く聞きませんでしたが、この出来事に深くショックを受けたKちゃんは、魂の抜け殻のようになってこのまま自分も死んでしまおうと思ったそうなのです。
そして実際にアパートの部屋に引きこもり、飲まず食わずで何日もただ生ける屍のようになっていたところ、そんなKちゃんを心配して訪ねて来てくれた友達によって救出され、今に至るということでした。
それからKちゃんは、生と死を強く意識するようになったそうです。
以前、『鏡の法則』について話していた時、Kちゃんが吐き出すように言った言葉があります。
「自分の波長と同じ相手と出会うとか、引き寄せるとか、そんなのは嘘だって思いますね」
昔のことなので多少の違いはありますが、そんな意味のことを言っていたように思います。
これはもちろん私も同意見で、更には10年後に出会う瑛人くんも全く同じ意見でした。
スピリチュアル界隈でまことしやかに言われていること――自分が置かれる世界はすべて自分の波長(想念)が作っている――は、確かにほとんどの場合その通りですが、実はそこには忘れてはいけない「落とし穴」もあるように思います。
そしてその落とし穴こそが、私と、Kちゃんと、瑛人くんを繋ぐ「真の目的」なのかもしれないと、最近思うようになりました。
いじめやパワハラなど他者の仕打ちに苦しめられている人々は、決して自分の波長が低いせいでそんな目に遭っている訳ではないのです。実際、苦しめられている側にはいい人、純粋な人が多く、他者の理不尽な感情を不当に引き受けさせられたり、搾取されたりしているだけなのです。
スピリチュアルな学びの場などで、よく「自身の波長を高めれば悪いエネルギーの干渉は受けない」というようなことを言われますが、私はこれは一部正しくないと思っています。
確かに一般的にはその通りですが、それよりも更に上を行く純粋な魂の持ち主は、むしろ魔に付け狙われる可能性が高いという気がします。
つまり、魂の光が強いほど、それを引きずり降ろそうとする魔の勢いも強くなるということです。
Kちゃんと出会ってから頻発したシンクロニシティ
Kちゃんと私の間には奇妙なシンクロが頻発したと書きましたが、一つは「同時に切れたふたつの輪 」にも書いた通り、二人が身に着けていた金属の輪がほぼ同じタイミングで切れたことです。
その話はここには詳しく書きませんので、興味がある方はリンク先の記事をご覧ください。
ここでは、私とKちゃんと瑛人くんを繋ぐ「特別なサイン」と思われる大きなシンクロについて、書いてみたいと思います。
前日の会話が、映画「HACHI」の中にそっくりそのまま出てきた
ある時、私の親友である三井孝子さん(仮名)が遠くへ引っ越すことになり、送別会と称してKちゃんを誘ってファミレスでお茶会をしたことがありました。
孝子さんとKちゃんはこの時が初対面で、私を通して初めてその日に顔を合わせたばかりでした。
(不思議なことに、私はこれまでに二回だけ孝子さんに友人を紹介したことがありますが、その一人がKちゃんで、残る一人が瑛人くんだったのです。なぜそんなことをしたのか、今もって私自身にもよく分かりません)
さて、このお茶会で私達が話していた内容はというと、ダヤンの話(私の住む山梨の河口湖にあるダヤン美術館の話)、エジソンやコロンブスの話、道に古い葉書が落ちていた話等々――本当に取り留めもないことばかりでした。
(その時の詳しい内容はこちらのブログ記事をご覧ください)
【参考ブログ記事】➡ シンクロニシティに導かれた「人生の転機」:お茶会編
そしてその翌日、私は借りてあったレンタルDVD(リチャード・ギア主演のハリウッド映画「HACHI~約束の犬~」)の返却期限が迫っていることに気付き、慌てて観たのですが……
何とその映画のあちこちに、昨夜の私達が話したことが、とても偶然とは思えない頻度で登場していたのです。
たとえば「コロンブスはアメリカ大陸を発見しました」とか、「エジソンはスーザーの行進曲を密かに録音」とか、「ヤマナシ…日本の片田舎の小さな村」とか……。
極めつけは、「道には神のサインのある手紙がたくさん落ちている」という台詞。それらは前夜、私たちが特に深い意味もなく話していた言葉ばかりではありませんか!
これは単なるシンクロなのか、それとも私たちにとって何らかの意味があるのか……
作品中にはお茶会の時に話されたワードが頻出していましたが、でも私がこれを観たのはお茶会の後。
そしてこのDVDは、もう既に一週間も前から借りてあったものなのです。
つまり「一週間前に既に手元にあったDVDの中に、後日話される会話が予言されていた」ということ。もし、どれか一つでも順番が違っていたら、全然シンクロにはならなかった。
そう考えると、あまりのタイミングに驚きます。
父の愛犬ハチが、父のお通夜の日に一緒に息を引き取ったこと
上記のお茶会の出来事には続きがあるのですが、長くなるのでそれは次回に譲り、ここではHACHIにまつわるシンクロに絞って書いてみたいと思います。
お茶会から一年後のある日、私の父が天国へと旅立ちました。そして何と、父のお通夜の日に、父が飼っていた愛犬ハチも息を引き取ってしまったのです。
実は、このことは私にも「不思議な出来事」として事前に予告されていました。
父が倒れる二日前、家族が行き来するリビングの床の目立つ場所に、タロットカードが一枚落ちていたのです。
私は占い師なので普段からタロットカードは使います。でも、リビングに落としたまま拾い忘れたなんてことは絶対に考えられません。
そもそもリビングには朝から何度も家族が行き来していたはずだし、その時点まで誰もそのカードに気付かないなんてあり得ません。そのカードは、突然そこに出現した(アポートと呼ばれる物理霊媒現象)と考える方がむしろ自然でした。
落ちていたのは、「愚者」のカードでした。
事故で片足先を切断して生涯ギプスをはめていた父は、このカードの意味の通り、不自由な体から解放されてようやく自由気ままに動けるようになったのです。
そして愚者の足元には、白い犬が寄り添うように描かれています。落ちていた愚者のカードは、父とハチが一緒に天国に昇っていくことを、知らせてくれていたように思えてならないのです。
HACHI――天と地とを繋ぐ者
忠犬ハチ公さながらに父に寄り添い天国へ行ったハチと、落ちていたタロットカード。そして映画「HACHI」にまつわる様々なシンクロ……。
名前が同じハチだったことも、映画の中になぜか「山梨」が登場することも、全部が全部、単なる偶然というだけなのでしょうか。
映画の中には、ハチという名前を指して「天と地とを繋ぐ者」という意味の台詞が出てきます。(うろ覚えなので言い回しは少し違っているかもしれません)
「天と地とを繋ぐ者」――それってまさにミディアムのことではないでしょうか?
そんな訳で、この頃から私は、シンクロニシティという現象を通して現在の方向へと突き動かされて行ったように思います。
長くなりましたので今回はこの辺で終わりにして、次回はKちゃんと瑛人くんとの共通点について書いてみたいと思います。
▼「シンクロニシティ体験談」後編はこちら