私がこのブログを立ち上げたのは、彼と出会うよりももうずっと以前のことでした。
そして私の周囲には自ら死に向かってしまった人が本当に大勢いて、最初からそうと意図していた訳ではないのに、ブログの内容が次第に「自死」をテーマにしたものへと変わっていきました。
【この記事は前回からの続きです】
➡ 止められなかった自殺予告…自死を選んでしまった友人①
肉体は消えても魂は消えない、ということの証明
なぜ、私はこれほどまでに「自死」というものに向き合わされるのでしょうか?
分かっていながら彼の自死を防げなかったこと――
それは私にとってはとても苦しいことで、このブログを開設した当初は、まさか自分がこんな出来事の当事者になるなどとは思ってもみませんでした。
ですが、実はこの出来事には続きがあって、私は今も彼の魂が存在していて、あちらから私に頻繁にコンタクトを取ってきてくれていることを知っているのです。
それを絶対に書くべきだという使命感のようなものが、悲しみを超えてこうして私をブログに向かわせています。大切な人を亡くして悲しみの底に沈んでいる方々に、「故人はちゃんと私たちのことを見てくれている」ことを、どうにかして伝えたいという思いがそうさせています。
そもそも私がミディアムシップ(天国の故人との通信)を学んでいたことも、自ら死に急ぐ彼と出会ったことも、もしかしたら初めから計画されていたのではないか?とさえ感じるのです。
つまり、私が自らの体験として亡くなった彼とコンタクトを続け、それをブログに綴ることが、「同じような境遇の方々を励まし霊界の存在を証明する」ための役割として、私の人生に課されているのではないかと……。
私が帰った直後、彼は失踪したまま帰らぬ人となりました
私が彼の家を出た直後、彼は一度だけTwitterに投稿してそのまま連絡が取れなくなりました。
その時のツイートにはさほど変わった点もなく、ただ「自分が精神的に弱いのは気質のせいなのかな?もっと鍛えて体育会系みたいになりたい」といった内容が書かれていただけでした。
その日は夕方に彼のお父さんが来ると聞いていたので、私はそんなに心配もしていませんでした。
「(自分が今住んでいる部屋を引き払って)父親のアパートに引っ越すかもしれない」と言っていたので、もしかしたらそのままお父さんのところに行って、私とは連絡が取れない状態になっているのかなと思っていました。
でも実際には、彼は私が帰った直後に失踪し、お父さんが行った時にはドアの鍵も開けっ放しのまま、もう既に行方が分からなくなっていたそうです。
失踪後しばらくして警察に捜索願が出されましたが、変わり果てた姿の彼が発見されたのは、それから更に一か月ほど経った頃のことでした。
一方、私は音信不通状態を心配しつつも、ここはお父さんに任せた方がいいのではと思い、彼を訪ねたりもせず数か月間ただじっと連絡を待っていました。
でももう既に亡くなっていた彼からの連絡など当然あるはずもなく、お悔やみ欄にも載らず静かに家族葬で見送られた彼の訃報も、私に知らされる術はありませんでした。
最後に会った日から約二週間後の彼の誕生日、私はTwitterに彼に宛てたメッセージを送りました。
彼が読んでくれているかどうかも分かりませんでしたが、その時の私に出来たのはそれが精一杯でした。
生まれてくれてありがとう
どんなあなたでも
ここにこうして存在してくれることが
もうすでに78億分の一の奇跡なんだよ#あなたがここにいるだけで— 夕貴@占いver.2.0 (@SpiloverTarot) July 19, 2021
私に知らせるために「大きく事態を動かした」霊界からの差し金
それから4か月が経った11月のある日、事態は突然、大きく動きました。
ある時、このブログでも以前ご紹介したことがある、息子さんを自死で亡くされたという佐藤高志さん(仮名)から思いがけず占い鑑定のご予約を頂いたのです。
――が、ご都合が変わり最初に申し込まれた日程を一旦キャンセルされ、予約は別の日に変更されました。
そして、その後すぐに私のスマホに見知らぬ番号からのショートメールが送られてきました。
「息子の部屋に先生の名刺があり、私も鑑定をお願いできますか。」
希望された日に空いていたのは、元々入っていた佐藤さんの予約がキャンセルになった、その枠だけでした。なのでその時間をご案内し、当日、メールの主の女性は私の事務所に現れました。
「急な申し込みですみません、これ、私の息子なんですが知ってますか?」
そう言って差し出されたのは、ずっと音信不通だった、あの彼の免許証でした。
「ああ、知ってますよ。時々ここにも来てくれていましたよ」
「そうですか。ここに……。息子は夏に自殺しちゃってねえ……」
それを聞いた時、私は即座に「ああやっぱり」と思ったのです。
生きていると信じたかった。でもどこかで彼はもう既に亡くなっていると感じていた私もいたのです。(別記事で後述しますが、彼が亡くなったことを知らせるサインが、私の元にいくつも送られてきていました)
彼が亡くなった後、ご家族は「彼に付き添って病院に行ってくれた友人」がいたことを知ったのだそうです。ですが、私がどこの誰かを知る人はいなかったため、彼の訃報を知らせる術はないと諦めていたそうです。
そして彼の部屋を引き払うために片付けている最中、彼のお母さん(お父さんとは離婚されて離れて暮らしていた)が私の名刺を発見し、もしやと思いわざわざ鑑定を申し込んで来てくれたという訳でした。
これは「(私に)自分の死を知らせたい」という彼自身の強い思いと、彼の安否がずっと気がかりだった私の思い、それを汲んで霊界が取り計らってくれた結果だという風に感じます。
遡れば、私の名刺を彼に渡していたことも、彼に付き添って病院に行ったことも、それがなければ彼の訃報は私には届かなかったかもしれないと思えば、何だか不思議な気がします。
そもそも『占い師としての経験と、ミディアムシップに関する学びと、ライターとしての経験とを全て足し合わせた道』を意識するきっかけとなった、その佐藤さんが他県から突然ご来店予約を入れてくださり(私が事務所を開設したことはこのブログには記載しておらず、佐藤さんはそれを全然関係のないところでたまたま知ったそうです)、そしてそのキャンセル枠に彼の自死の知らせを持ったお母さんが飛び込んでくるなんて……これを「単なる偶然の出来事」だとは、とても言い難いものを感じるのです。
※長くなるためこの話は数回に分けて綴っています。次回は亡くなった彼とのコンタクトの様子をお話したいと思います。
▼「体験記:友人の自死」続きはこちら