体験記「友人の自死」

騒ぎの翌日に見せられたシンクロと過去から届いたメール:回想編8

 
大立ち回りを演じたAさん率いる女性グループの、「夕貴さんのひどい態度のせいでみんなが迷惑している」といった訴えに基づき、一言の弁明もさせてもらえないまま、私はほぼ人員の必要のない無人カウンターへの異動を命じられました。
元々無人だった場所なのでほとんど仕事らしい仕事もなかったのですが、それでも私は毎日そこに立ち続け、細々とした作業を見つけては仕事をし続けました。
 

例の騒ぎの翌日に遭遇したノーヘルの男性と白バイ警官との口論

 
話は遡りますが、前回書いたサービスカウンター内での大騒ぎのあった翌日、私は用事で二週間ほど休暇を取り、別の場所へ車を走らせていました。
すると信号待ちで停まっていた私の車の後ろに一台のバイクが停まり、そのバイクに乗った男性のところに白バイがすうっと近付いてきたのです。
運の悪いことに、その男性はヘルメットを被っていませんでした。

「ヘルメットはどうしたんだ!免許証見せなさい」
白バイの警官がそう言うと、男性はいきなり大声を上げて全力で抵抗し始めました。
「何だテメエ、俺が何したってんだ!!」
「静かにしなさい!免許証見せなさい!」
「うるせえんだよテメエ!俺が何したんだよ!!さっさと行けよ!!」

警官はごく当たり前の取り締まりをしようとしているだけなのですが、男性の方はひどく興奮していて話になりません。ヘルメットを被ってないことが着用義務違反に当たるということが、警官に説明されてもどうしても理解できないようでした。
 


 

「ああ……これ、昨日の私とAさんのやり取りにそっくりだな……」
信号待ちの間中、車の後ろで飛び交う罵声を聞きながら、私は苦い思いを噛みしめていました。

警官は真っ当なことを言っているだけだし、バイクの男性の方が無茶苦茶なのはよく分かるのです。が、それでも警官がもし、もう少し柔らかな物言いだったら男性はここまで興奮しなかったかもしれません。
同じように、私も昨日のAさんに真正面から正論で切り込まずに、もう少しうまく話を持って行けたら結果は違っていたのかもしれません。それを教えるために、私は今日このタイミングでこのシンクロを見せられたのでしょうか。

きっと、これは私にとっては「答え合わせ」だったのだと思います。結果はあまりうまくやれなかったけれど、私が人生の中で直面すべきひとつの試験の山場は、ともかく越えたということなのでしょう。
 

なけなしの仕事を見つけていた状態からの復活

 
さて、二週間の休暇を終えて戻ったその日から、私はほとんど誰も来ない、何も仕事がない無人カウンターの形だけの番人になりました。それでも周囲の掃除や備品の整理など、細々とした仕事を見つけてはひたすら手を動かしていました。

時々Aさんたちとすれ違うと、聞こえよがしの悪口、私の方を向いてのひそひそ話、せせら笑う声……。さすがにそうした態度を見せられるのは傷付いたし、孤独でした。
単なるパートだったので辞めてしまうのは簡単でしたが、でも、ここで負けたら自分の濡れ衣を自分で認める形になってしまう。私は何もしていない。だからここで逃げる必要はない、と歯を食いしばって耐えていました。
 


 

そしてそんな日々も数か月が経つと、だんだん私に声を掛けてくれる人が現れ始めました。
どこにも所属していない宙ぶらりんの立場だったからこそ、人手が足りないあちこちの部署からヘルプを頼まれ、むしろ異動前よりもかえって忙しくなってしまったくらいでした。
捨てる神あれば拾う神ありとは、まさにこのことです。

そんな時、Aさんのグループに入ってしまった同じ部署の元友達から、過去に届いたメールと全く同じものが、再び私の元に送られてきたのです。
 

過去から届いたメール?

 
過去に送られてきたものと全く同じ内容のメール。
再送信?保存してあった送信済みのメールを、間違えて再び私に送ってしまったのでしょうか?
一応彼女に聞いてみましたが、送っていないどころか、もうすでに削除済みだと言うのです。
――では、サーバーに保管されていたものが自動で送信されたということなのでしょうか?
半年も経ってから、突然? 送り主の意図的な操作も何もなしに?
 


 

例え誤送信やサーバー上のエラーだとしても、新たに送られたものなら「送信された今現在の日付」で届くはずだと思うのですが、実際に届いたものは、過去に送られた日の日付そのままになっていました。
つまり、問題のメールが届いたのは「11月15日」(うろ覚えですが)だったにも関わらず、
表示されていたのは、過去の日付である「6月20日」だったというわけです。

※同じ日に別の人からのメールも届いたので、受信箱には受信日時の新しい順に、上から

11/15
6 /20 ← これが問題のメール
11/15
11/13 

……という感じに並んでいました。でも、そんなことって普通にあることなのでしょうか?
 

人の弱さ愚かさを知り、負けるが勝ちという闘い方を学んだ

 
人の想念はこんな風にして過去に存在していた信号を現実化させ、私達の前に姿を現すのでしょうか。「思い」はエネルギーであり、こうして現実を引き寄せる力があることを、私は改めて目の当たりにしたような気がしました。
いずれにせよ、彼女とAさんが私のことを多大に意識していたのは事実です。だからこそ、あれだけの大きなトラブルに発展したのですから。

ちなみにメールの件はこれが初めてでしたが、私の身辺にはこうした物理現象がよく起こります。父が亡くなる前に床に落ちていたタロットカードのことは以前書きましたが、それ以外にも何度かこうした不思議な現象が起きていて、その度にびっくりさせられました。
どうやら私は生まれつき人よりエクトプラズムを多く持っている体質のようで、いわゆる物理霊媒タイプに近いのかなと思います。自発的に物理霊媒現象を起こせるわけではないので、まったく中途半端なのですが……。
私が体験した不思議現象については、また追々このシリーズや別の記事の中でご紹介できればと思います。
 


 

その後、不思議なことに私を敵視していた人たちは皆、何らかの事情で会社を辞めたり、異動したりして全員いなくなってしまいました。Aさんは別の不正が発覚したらしく、それなりの処分を受けたと聞いています。
結局、ものの見事に一人残らず、私を苦しめた人は会社からいなくなってしまったのです。

私もやがてその会社を辞めはしましたが、これは自分史上最も心に残るいい経験だったと思っています。
事の是非よりとりあえず騒いだ者勝ちという利己的な人々の存在、飛び火を恐れて傍観するだけの人々、声の大きい人に迎合して扱いやすい方を手っ取り早く黙らせる上司……。よくある社会の構図を目の当たりにしたことが、人間の愚かさや哀れさを知るための良い教材となりました。

そしてバカ正直に真正面から切り込むだけだった私は、この一件から「急がば回れ」「負けるが勝ち」という闘い方を学びました。
そういう意味でも、あの頃の私に苦しみを与えてくれた彼女達に、今では心から感謝しています。
 

課題をうまくこなせるようになるまでリトライさせられた後、独立へ

 
しかし私はそれ以降も、どんな職場へ行っても同じように女性グループに敵視されることが続きました。
面白いことに、どの職場でも毎回キャスティングには類似性があり、「この人は最初に仲の良かったあの友達と同じ役どころ」「この人はAさんと同じ役どころ」等々、彼女らに出会ってから事件が起き、収束するまでの一連の流れも手に取るように分かりました。つまり毎回同じパターンを辿るのです。

最初の会社での出来事は確かに前世絡みだったかもしれませんが、それ以降は私が課題をうまくこなせるようになるまで、追試のような形で何度かリトライさせられたのではないかな、とも思います。
結局、回を重ねる毎にだんだん事件の内容も軽くなり、「もうパート勤めは卒業してもいいかな」という心境にもなりました。そんな中で重要なキーマンであるKちゃんにも出会い、最終的に占い師となって独立し、瑛人くんと出会う流れへと続いていったのです。
 


 

きっと、誰の人生にも必ず、しかるべきタイミングでその人にとっての課題に向き合わされる日が来ることになっているのでしょう。そうした課題から逃げることは決してできません。何度逃げても必ず追いかけてきて向き合わされることになります。

その課題を負のカルマと言い換えてもいいかもしれませんが、誤解のないように申し添えておくと、カルマそれ自体は「前世の罪を償うための罰」のようなものではないということです。
むしろ、今世でこれに取り組みたいと最初に自分で決めてきたレッスンがあり、負のカルマはそのレッスンが発動するための『仕掛け』として作用するものなのではないかな、というのが私の実感です。
 

▼「友人の自死」回想編:続きはこちら

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夕貴
自ら予言した通りに亡くなった母、突然倒れて帰らぬ人となった父。そして魂の家族とも言える大切な人を自死により亡くしました。それでもまだ彼らの魂は存在していることを、常に感じて記録しておきたい…そんな悪戦苦闘の日々を綴っています。

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