体験記「友人の自死」

二人の出会いは江戸時代の前世が関係している?私がそう思った理由:回想編3

 
瑛人くんが自殺未遂を繰り返したという過去のトラウマを語り始めたため、占い講座は占いというより、だんだんカウンセリングのような様相を帯びてきました。
とはいえ私にはそんな専門的なスキルはありません。ただただ寄り添いながら話を聞き、母親もしくは姉のような、疑似家族のような存在であろうと努めていました。
 

子供のように私を慕ってくれる瑛人くんの姿

 
私には瑛人くんとそう年齢も違わない娘や息子がいます。瑛人くんと話していると、子供たちがまだ小さかった頃のことをよく思い出しました。学校から帰ってきて、今日あった出来事を逐一報告しては聞いてもらいたがる姿。叱られるのではないかとビクビクしながら、失敗したことを神妙に話し始める姿……。
瑛人くんの嵐のような占星術への質問攻勢は、どこか小さな子供の「ナゼナニ期」を思わせるようで、私にとってはちょっぴり微笑ましくもありました。

思えば私に子育て経験があったからこそ、彼のそうした言動にもさほど振り回されることなく、良い関係を築けたのかもしれません。
彼の成育歴はあまり一般的なものとは言えず、心の奥には埋めようのない寂しさを抱えていたように思います。だからこそ疑似家族的な母親代わり、姉代わりのような繋がりを、彼は私に無意識に求めていたのではないでしょうか。
 


 

ほとんど身の上語りのようになってきたため、オンライン授業はいつしか自然消滅的に終了し、瑛人くんはまた定期的に対面鑑定に顔を見せるようになりました。
念のため、「何か話したいことがあればいつでも送ってきていいよ」と、ビジネスチャットだけは講座終了後もそのまま残してありました。

このチャットは、彼にとっては言わば命綱のようなものだったと思います。彼は本当に素直にある意味バカ正直に、その後も心に思い浮かぶことを何でも書いては送ってきました。
私の方はそれほど返信に時間が割けなかったのですが、日に10通も20通も彼からの書き込みが届くたびに、『ねえねえママ―、ぼくねー今日ねー』と、まるで母親を慕って後を追いかける幼児のようだなと思わずにはいられませんでした。
 

私たちの重要な宿縁の一つ、江戸時代の前世

 
私の方も、もちろん事務所を訪れる一人一人に同じような対応が出来た訳ではないので、だから彼のケースは明らかに例外中の例外だったのです。
ではなぜこういう状況が起きたのかと言えば、それは人間的な思考では到底測れない、複雑な魂的な宿縁のようなものが絡んでいたからではないかと思います。

私たちの宿縁について、一つは前世で強い関わりを持っていたのではないか?という風に感じます。
前世というのはもちろん何の証拠もないので断言はできませんが、それでも私がそう考えるに至った理由がいくつかあり、それが瑛人くんに不思議な魂の親和性を感じた答えにもなるのかな、という気がするのです。
(※類魂の法則で言えば、『前世の魂がそっくりそのまま今の肉体に入って同じ魂として生まれ変わる訳ではない』のですが、ややこしくなることを防ぐため、ここでは『私と瑛人くんが前世に生きていた頃』と仮定しておきます)
 


 

この、二人が強い関わりを持っていたと思われる前世は江戸時代にあり、当時の私(もしくはグループソウルである現在の指導霊)は花魁だったようです。
この時代の瑛人くんがどんな人物だったのかは定かではないのですが、もしかしたらこの花魁を贔屓にしていたお客だったのではないか、と私は思っています。

花魁の前世については複数の霊能者から指摘されており、自分でも何度も鮮明な夢を見ていることと、そしてミディアムシップ・デモンストレーションの会場に花魁が現れメッセージを告げられるという出来事があったため、私自身はかなり確信を持っています。
実は私と瑛人くんの関わりを語る上で、この花魁の話は決して外すことはできない重要な伏線となっていて、そのためこれからも何度か登場する話であることを、ここで予めお断りしておきます。
 

デモンストレーションに現れた花魁からのメッセージ

 
ミディアムさんによると、この時デモンストレーションに現れた花魁は
「クリアファイルのようなアルバムに入った写真を何枚も見せてくれていて、その写真はあなた(※夕貴)の家系の女性のものであると伝えてきてくれている。その中にはあなたの写真も入っている」
「あなたの家系の女性の共通点として、その写真の女性たちには今世でのお役目があり、そのために皆霊能力を持たされて生まれてきた」
という意味のメッセージを私に伝えてきたそうです。
 


 

私の家系の女性と聞いて真っ先に思い浮かんだのは祖母と母で(それ以外にもまだいたのかもしれませんが)、二人とも霊感が強く、男性からの暴力やストーカー行為に悩まされるという色情因縁に翻弄された人生でした。
なので祖母も母も、もしかしたら江戸時代の前世で同じような境遇にいたのかもしれません。

今世、私がこの二人の血縁に生まれたのは、そうした色情因縁的な家系のカルマが『お役目』にとって必要だったからでは?と思うのです。(その理由は後述します)
そしてそのお役目とは、瑛人くんと出会い、身をもって体験したことをこうして書き記すことなのではないか?と思うのです。

この時現れた花魁は、『霊界にいる私の本体(類魂、グループソウル)』であり、現在の私の指導霊の一人ではないかという気がします。
通常、ミディアムシップ・デモンストレーションの会場にここまで古いスピリットが現れることはありません。ましてや曾祖母といった直接の先祖ではなく、類魂のような存在が現れるなど、よほどの必要性がない限りはほとんどお目にかからないことだと思います。
 

二度の子宮外妊娠は前世のカルマによるものかもしれない

 
私は元々体質的に婦人科系(特に子宮)が弱く、二度の子宮外妊娠によって二回とも中絶を余儀なくされています。
最初の子宮外妊娠の後に娘を、二度目の子宮外妊娠の後に息子を授かりましたが、後に霊能者にこのことを指摘され、「本当は今世で子供が授かりにくいはずだったが、徳によって授かることができた」という意味のことを言われました。

もしかしたら、私は花魁時代に堕胎をしたことがあるのかもしれません。やむを得ないこととはいえ、その時のカルマにより子宮外妊娠が起きたとしても、何ら不思議はないと思います。
 


 

そしてもしも堕胎が本当だとしたら、その相手は前世で贔屓客であった(と思われる)瑛人くんではないかという気がします。
先に書いた、「色情因縁的な家系のカルマが『お役目』にとって必要だった」と思う理由の一つがそれで、今世で私たちが出会うために、前世においてそうしたカルマを作る仕掛けになっていたのではないか、という気がするのです。

堕胎という大きなカルマを作った相手同士なら、カルマの解消のために今世での再会が可能になるはずです。もちろんこれは単なる私の考えであって証拠も何もないのですが、瑛人くんには一応包み隠さずきちんと伝えてはおきました。
彼の反応は相変わらず半信半疑とのことでしたが……。
 

私が見たビジョンとそっくりな投稿によるシンクロ現象

 
前回の記事で、瑛人くんと関わり始めてから意味深な夢をよく見るようになったと書きましたが、花魁の夢や二人で小説家を目指す夢と並んでもう一つ印象的だったのは、「二匹の子猫が排水溝に吸い込まれそうになっているところを、排水溝に手を突っ込んで必死に引き上げた」という夢(正確には起きがけに半覚醒状態で見たビジョン)でした。

ビジョンに現れた二匹の子猫は、私が二度の子宮外妊娠のために中絶せざるを得なかった子供のことを指している、と直感しました。そしてやはり私の子宮外妊娠には、前世での瑛人くんが関係しているという気がしました。
(私が子宮外妊娠をしたのはもう二十数年前の話で、だから今頃になって突然そんなビジョンを見るなんて、どう考えても瑛人くん絡みだとしか思えません)
 

そこで私は、このビジョンのことを瑛人くんに話してみました。
すると同じ日の夜、Twitter(現在のX)のタイムラインに、私の話とそっくり同じ内容のツイートが流れてきたのです。
 

投稿内容を見てスクショしたもの

 

「排水溝から子猫を拾った」などという投稿は日常的にそうそう見かけるものではありません。しかもついさっき、その話をしたばかりというタイミングで……。
これはシンクロ現象だと気付いて驚いた私は、スクショした画像と一緒に瑛人くんにチャットを送りました。
 

シンクロに驚いて私から瑛人くんに送ったチャット

 

そして翌日、Twitterを開くと、更に同じ内容の別の投稿が流れてきたではありませんか!
 

投稿内容を見てスクショしたもの

 

二度目に見かけたこの投稿は、2匹の子猫というところまで酷似しています。
彼にこの話をした時点からほぼ24時間の間に、普段なら滅多に見ないような投稿を2連続で目にするなんて、これは明らかなシンクロ現象だと思わずにはいられません。
もちろん自分で検索したわけではなく、タイムラインに勝手に流れてきたものです。
 

そんな訳で、私たちが前世で関わっていたのではないかと私が思う理由を「私の側から」いくつか書いてみました。
次回は「瑛人くんの側から」そう思うに至った理由を書いてみたいと思います。

(今、この記事を書いていたら、机の上に置いてあったリップクリームが勝手にコロンと5㎝ほど転がりました。タイピングの振動などで転がったことは今まで一度もなかったので、もしかしたらこれは瑛人くんの仕業かな?と思いました)
 

▼「友人の自死」回想編:続きはこちら

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夕貴
自ら予言した通りに亡くなった母、突然倒れて帰らぬ人となった父。そして魂の家族とも言える大切な人を自死により亡くしました。それでもまだ彼らの魂は存在していることを、常に感じて記録しておきたい…そんな悪戦苦闘の日々を綴っています。

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